裸踊りは現実に起こりうるか~石の橋づくりをとおしての考察~

「裸踊り」という有名な動画がある。
https://youtu.be/OVfSaoT9mEM

何か新しいことを始めるとき、最初はなかなか人がついてこない。
しかし、最初のフォロワーがあらわれどのように楽しむべきかの見本を示す。
徐々に人が増え、最後には一大ムーブメントになる。
見たことがない人は、ぜひ上のURLで見て欲しい。

さて実際にこのようなことを起こすことはできるのだろうか。
鯉のぼりを見に出かけた相模川で検証した。

1.検証しようと思うに至るまで
・川遊びをしていたところ、中洲を見つけ、渡ってみた。
途中最も深いところでは自分の身長でひざまでつかる。小さな子が渡るには危ない。
・誰かが積んだ石を発見する。橋にしようとしたのだろう。
完成しているのは川幅の10%くらい。大変そうだが、全く無理ではなさそうに見えた。
・石の橋がかかったら、小さい子どもも渡れる。
楽しそうだ。裸踊りスタイルで完成できるかやってみよう。

2.プロジェクト開始
・最初、無言で石を積み始めた。わが家の子どもたち(7歳&5歳)に声をかける。
「石の橋、つくってみない?」「いいね」
・三人でもくもくと続ける。
・そのうち意図を理解し、ながめる子どもたちがあらわれる。「一緒にやらない?」と声をかける。
・わが家の3人、男の子の兄弟2人、女の子2人と男の子1人の3人グループ。合計8人になった。

180502_01.jpg
↑はじめて少したったころ。まだまだ元気。

3.順調な初期
・ひたすら続ける。完成した姿を思い浮かべるだけで楽しい。体が動く。
・指示せずとも、各自思い思いがんばっている。
大きい石を探す者。幅を広げようとする者。小さい石でバランスを保とうとする者。
・次男(5歳)が「これは会社だね!」と発言。
「パパと●●くん(長男)が始めたから二人が社長だね」という。
(三人で始めた気がするが、、。謙虚な男だ。)
・我が子をふくめ一緒に作業するメンバーには
「大きくてちょうどよい石だね!」などとポジティブな声かけを心がけた。

180502_02.jpg
↑別の角度から。徐々にきつくなってくる。

3.困難に直面
・石を積み進めるにつれ、だんだんと深いところに近づいていく。
置けども置けども石は水面に出てこない。
・しかも、積むに値する大きめの石はすでに近くにはなくなっている。
遠くに取りに行かねばならない。ただでさえ石は重いのに!
・わが家の子たちは飽きはじめ、魚を探しにいってしまった。
・徐々に疲れも感じはじめる。

4.競合の登場
・せっせと橋を積む我々を見て「自分たちもやってみよう」とする者があらわれる。
むむむ。新しくつくるならこっちを手伝ってくれればいいのに。
・「こっちだいぶ進んでいるんだけど、よかったら一緒にやらない?」声をかけるも入ってはもらえず。
・競合はしばらく石を積んでいたが、ほどなくして手がとまり、いなくなった。
思ったほどは進まずあきてしまったのだろう。

5.チームの変容
・我々のグループでも新たに社長を名乗る者が出てきた。
女の子2人&男の子1グループの最年長ど4年生くらい。
「私が社長よ。あなたは橋を広くしなさい。広くしないと反対側から同時に来たときに渡れないわよ。」
友人に対してなかなかの命令口調だ。自分では大して動いていないのに。
彼女の友人たちが適度に言うことを聞きながら手と足を動かし続けているのが救いである。
「橋はバランスが大事よ。そこのオトナ、バランスも考えなさい」
私にも命令してくる。むっとしたので聞き流した。
・わが家の子たちはもう、ときどきしか姿を見せない。父がこんなに頑張っているというのに!

6.暗中模索
・人も少なく、作業も進まず心細くなってくる。
・諦めたくなってきた。最初よりだいぶ進んだ。
これでよしとしてしまおうか。誰かが続きをやって完成させてくれるかもしれない。
・こちらをちらちら見る人にタイミングをみて声をかけるがなかなか仲間に入ってはもらえない。
・一人でも大人がいれば。そう思って誘うも笑ってにごされる。
・心がおれそうになる。「始めなければよかった」とも思った。
・しかし、その間も2年生の男の子ががんばる。彼を見て自分もがんばる。
・それでも、だんだん握力がなくなる。大きな石を運ぶ力がなくなる。

7.救世主
・そこに、めがねのおにいちゃん(三年生くらい)が登場
・小さい子が入りにくい深めのポイントを担ってくれた。二人でやればスピード倍増である。
・さらに2年生男子の母も登場。「そろそろ帰るわよ」まずい!貴重な戦力が抜けてしまう。
・しかし息子ががんばる姿を見てなんとお母さまも加勢。
(早く帰りたい母親と、早く完成させたい我々の利害が一致!)
・離脱しがちだったわが家の子たちも戻ってきた。
・最後のふんばり

180502_03.jpg
↑あと一息!

8.ついに、、完成!
・とうとう橋が完成。
・2年生男子は一度渡って帰っていった。
お母さん「お世話になりました」私「こちらこそ、ありがとうございました」
・自分でもわたってみる。「ああ、本当にわたれる!」声がもれた。
・女の子社長がバランスを重視してくれたお陰で、特に橋の最初と最後は渡りやすい。
真ん中の深い部分は、やはりグラグラである。彼女の指摘は正しかった。
・用があって橋を離れてから戻ってみると、メンバー以外の子どもも大人も渡っていた。
・これがつくりたかったんだ。そう思った。

180502_04.jpg
↑ついに完成!

180502_05.jpg
↑知らない人がわたっている。橋は公共材になった。※この中州は左側で陸地とつながっていて安全です(正確には中州じゃないですね)

9.考察
・裸踊りほどの一大ムーブメントにはならなかったが、仲間を募って完成させることはできた。
・建造する楽しさを感じた。古代の人たちが巨大な建造物をつくるとき、
同様の苦労と興奮があったものと思われる。
・完成をイメージして体を動かし続けられる時期がある。
報酬がなくても行為そのものが目的になっている。
この時期はいつまでもどこまでも頑張れそうに思える。
・とはいえ難局は必ず訪れる。初志を忘れず手を打ち続けるべし。
・仲間の存在は重要。仲間が頑張っているから自分も頑張り続けようと思える。

(追記)
・裸踊りの動画を見返したところ、最初のフォロワーがほかの人を誘っていた。
・今回ムーブメントにならなかったのは、「自分以外が知らない人を誘う」という行為が
発生しなかったからではないか。
・「仲間に入ってくれそうな人がいたら声をかけてくれる?」とメンバーに呼び掛けたら
さらに多くの仲間が入ったかもしれない。
大人たちも、私に言われるより子どもたちに頼まれた方が入りやすいかも。
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管 偉辰

2008年から介護×音楽の会社を11年間経営。2019年夏から転身予定。

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