シンガポールの社会起業家向けビジネススクールと、教員が森の精と会話できるイギリスの大学院のプログラムの話を聞いて感じたこと5選

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昨晩、小沼 大地さん井上 英之(いの)さんの対談企画に参加しました。小沼さんがシンガポール、いのさんが大学院のプログラム、それぞれ参加しての学びをシェアするという企画です。ブログでしか告知していないのに、30人定員のつもりが初日で30人、最終的には約80人の申し込みとのこと。すごい人気だ!

そのブログ→http://girgis.blog93.fc2.com/blog-entry-183.html

参加して感じたことがとても大きかったのでまとめます。いのさんいわく「感じることは大事。けど感じたことは流れやすい。ドキュメンテーションしよう。」なるほどそのとおりだなぁ。

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1.KPIを追う時期と立ち止まる時期がある
小沼さん率いるNPOクロスフィールズは、日本のレガシーな企業と海外のNPO・NGOをつなぐ「留職」という事業を行っている。2011年の創業からめちゃくちゃがんばって契約社数は伸び、留職経験者数も伸びた。いろいろと賞も取っている。けど、これで本当に変えられているのか、という感覚があった。ビジネススクールの期間、立ち止まって考えることができた。
この話共感しすぎて泣いた。ガーッとやると数字は伸びる。けど、モヤモヤもしてくる。私たちも2015年、すごくお客様が増えた。仲間も増えた。けどこれをこのまま続けてあるべきところに到達するのか。ずっと悩んでいた。でも、立ち止まることで見えることがある。

2.社会を変えるモデルはこうしてつくれ
じゃあ、本当に社会を変えるにはどうすりゃいいのさ、という話。
今のビジネスモデルをやり続けても到達する実感がないのじゃろう?
ハイ、おっしゃるとおりです。先生たすけてください。
では、君にこれを授けよう。ドン!(写真は今日リリムジカのメンバーとつくったものです)

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なんですかこれ?
インパクトモデルじゃ。中心に君が取り組む課題、上にそれがもたらす様々な結果、下にその課題につながる様々な背景を描く。背景の中から根源的な問題「ルートコース」を見つけるのじゃ。
ハイ先生!やってみます。あれ?でも真ん中に何を書いたらいいんでしょうか??

優秀なフレームワークだと思いました。同時に今、自分が整理すべきことだとも思いました。僕だったら中心に何を置くだろうか。みなさんだったら、中心に何を置きますか?

3.売れるジャンパーの販売をやめた背景とは
社会善のためにビジネスをするのか。ビジネスのために社会善をするのか。
違いは意思決定にあらわれる。僕は、前者の仕事がしたいなぁ!
パタゴニアはかつて次のような意思決定をした。「このジャンパーはたしかに売れている。利益も出る。しかし、これを売っても社会善にはつながらない。だから販売をやめよう」

いま自分たちがやっていることで、お金にはなったとしても社会善につながらないことはないだろうか?

4.覚悟して顧客を不快にさせる
こちらはいのさんのパートの話。
イギリスの大学院のプログラムに参加したとき、最初いのさんは脱出を試みようとしました。「こんなこと知っているよ」「なんのためにやらされているんだ」「どこに逃げようかなぁ」。

しかし、これがまさに、U理論でいう左側を下る試みでした。
評価・判断や皮肉・あきらめをしている自分と向き合う。このプロセスがあるから、自分を知り、右側を上ることができる。
いのさんは言いました。「ふつう、顧客に不快な思いをさせないように注意を払う。しかしここでは、不快な思いをさせる懐がある。そこがすごい。」
なるほど。自分は「不快」を使って何ができるだろうか。不快を恐れていないだろうか。

5.生身になれ
大学院で教えているサティシュクマール氏。思想家。18歳のとき、核兵器の廃棄を求めて世界を歩いた。師は彼に教えた。「お金を持たずに往け」。様々な人が何かを供しようとした。しかし氏は教えを守った。受け取らなかった。常に生身。
あるとき対立する部族の境界をとおった。歓迎された。もし何かを持っていたら、歓迎されなかったかもしれない。対立する部族のものを持っているから。
私たちは日々、何かを持ちすぎていないだろうか。何もかも手放して、生身で歩んだら、どのような未来にたどりつくだろうか。

ビジネススクールのシステマチックな教えと、思想・哲学。
両極を同日にインプットする贅沢な宵でした。小沼さん、いのさん、運営のエティックのみなさまありがとうございました!
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弱いから、できないから、できることがある

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「親の雑誌」がテレビがっちりマンデーにも紹介されている株式会社こころみの神山さんとお会いしました。

マツコロイド等で有名なロボット工学者の石黒浩氏が開発したテレノイド(写真・HPより拝借)を介護の現場で活かせないかとのこと。

興味深かったのが、パーキンソン病の方がテレノイドを見て高い高いをした事例。認知症の高齢者が喜んでかわいがったこともあるそうだ。たとえ、テレノイドをあやつって声を発している人が、ごく普通の大人であったとしても。

なぜ、かわいいとは言えないテレノイドを高齢者がかわいがるのか?それは、テレノイドの明らかなる欠損ゆえではないか。テレノイドに手はない。腕も「あぶないかもしれない」という声に対応してどんどん短くなっているそうだ。髪の毛もなければ脚もない。人を模していることはわかるが、多くの人とくらべると欠損している。

人は、自分より明らかに弱いものを見ると守ろうとする。慈しもうとする。テレノイドを前にすると、普段介護され続けている人にその気持ちが生じるのではないか。パロをかわいがる心理に近いかも。

ぼくらは高齢者に「いかに良いものを提供するか」を考えがちである。しかし、北風と太陽。良質なサービスを与えようとすればするほど、廃用は進む。むしろ、眼前に弱きものをおく。それが、スイッチになるという可能性。

台数に限りがありますが、現在神山さんはテレノイドの可能性を探るべく動いていらっしゃいます。もし興味がある介護施設事業者さんがいらっしゃいましたら、テスト利用できると思いますのでお声かけください。

「ロボット工学者石黒浩氏開発のテレノイド、来たる!」なんてしたらちょっとしたイベントになるかもしれません。

民謡ソニック感想&イベントが良かったからこその苦言

実は、雨だし両国は家から1時間半だし、昨日まで行くのやめようと思っていました。でも、奮起して出かけてよかった!
まず、大会長の挨拶が良かった。民謡は人々の喜怒哀楽をあらわしたもの。その点ではポップスとかわらない。今、民謡というと失われた原風景をうたうものだと思われている。けど、何とかして今のものにしたい。
ほうほう、今とつながろうとしているのか!演奏を聴いて納得。サンバ調、ロック調だったり、キーボードやスレイベルがあったり。サンバの笛を吹きながらの八木節は楽しかったです。いろいろアレンジを聴くと、源流はどんな演奏なんだろう?と聴いてみたくなりました。
青森には五大民謡があること、全国に〜節、〜音頭、〜甚句、〜追分などの民謡があること、プチ解説もためになりました。
あと、今日は舞台の上でしたが、民謡はやはり、自宅?で、何か催しのときにみんなで謡ったものなのだろうなとも思いました。エンディングで演者たちがはめを外してはしゃいで花笠音頭を楽しんでいるのを見てそう思いました。
民謡ソニック、初心者にこそおすすめです。毎年やっているそうなので、興味ある方は来年ぜひ足をお運びください。

で、ここから苦言。良かったからこそ、より多くの人に楽しんでいただきたいからこそです。

・集客。席の3割程度だった!演奏家が一生懸命準備しているのだから運営は集客がんばれ。コンテンツは決してわるくない。
・舞台袖から関係者?の子どもがちらちら見えた。子どもが舞台に興味を持つのは自然なこと。でも、聴きに来ている人からしたら集中できない。止めるべきではないか。
・マイクのコードがからまって、演者が不自由だった。事前に確認しよう。
・前半振り袖で出ていた司会が休憩を挟んで私服にチェンジ。びっくりした。仕事じゃないんか!後ろに座っていたお客さんも「がっかり」と言っていた。
・告知が多い。1500円のイベントだし、もしかしたら演者はノーギャラかもしれない。だからといって1組20分程度しかない枠で告知が多いと萎える。

大会長が冒頭で言及したとおり、主旨は素晴らしいイベントだと思う。私自身、民謡は年配の方のものと思っていたけれど、自分とかわらない、自分よりも若い人が民謡を楽しく解釈して演奏するのを聴いてイメージがかわった。だからこそ、運営しっかりしよう。東京オリンピックに向けて日本文化として発信しようと気合い入れているわけですから。

日本民謡協会さん、民謡ソニックはエントリー商材だからこそ、気合い入れてつくるべきですよ!

本当のピンピンコロリの話をしよう

ピンピンコロリ?そうそううまくいかないよ。いつ認知症になるか、いつ療養生活が始まるかなんて誰にもわからない。ピンピンコロリなんて、うまくいかなかった人にとってはむしろ暴力だ。

そんな風に思ったことのある方はいませんか?私は、実はそう思っていました。もちろん「自分がピンピンコロリと長期療養どちらがいい?」と聞かれたら、ピンピンコロリ。でも、それを推進するのは抵抗がありました。だって、ピンピンコロリを推奨されて、できなかったら辛すぎるじゃないか!私の人生は失敗か!

今日は、藤沢市で介護を起点に地域づくりをしている加藤忠相さんのお話を伺いました。
https://www.facebook.com/events/830099840446264/847619655360949/
普通介護施設というと、お年寄りが車いすに座ってぼーっとして、介護士が忙しくお世話をするシーンを思い浮かべませんか?

加藤さんが運営するあおいけあは違います。おじいさんがタイヤ交換をしたり、苗を植えたり、剪定をしたり、おばあさんが地域にごみ拾いに出かけたり、お餅をついて近所に配ったり。敷地の中で職員の結婚式だってやります。もちろん、ホテルでもやって、ではありません。こっちがメイン。こっちオンリー。それも、めちゃくちゃ素敵!
https://www.facebook.com/aoicare/videos/615296708608738/?permPage=1

始めから元気なお年寄りを集めたんでしょう?いえいえ、ちがいます。あおいけあに来る前は寝たきりだった方、自宅がゴミだらけで近所の人から煙たがられていた方、DVのあった方。あおいけあのケアで、人生が輝き出しました。

え?そんなことできるの??
できます。できています。でも、同じようにやっているところはなかなかないなぁ~!
なので、今日のお話の中で、ポイントだと感じた点をご紹介します。

1.トップゴールは何か
みなさんの組織のトップゴール(みんなが目指すこと)は何でしょうか?ゴールはメンバー全員でそろっていますか?
ある介護施設では、社長はお金もうけ、管理者は安全、職員はレクの充実、となっているかもしれません。それぞれの意見が対立したときに前に進めない。
あおいけあではスタート地点に「介護とは自立支援である」「人にされて嫌なことはしない」という規範。トップゴールに「より良い人間関係の構築」。これさえ守れば何をしてもよい。マニュアルはありません。もし、やるかどうか迷ったら?「加藤さんに聞いてみて、『OK』と言いそうだ、と思ったら確認しなくて良い。確認しなくて良い。」わかりやすい!

2.ハード
介護施設を地域から孤立させ「施設」たらしめるものはなんでしょうか。いくら地域向けイベントを打っても少数の知り合いしか来ないのはどうしてでしょうか。ハードに問題があるかもしれません。毎回施錠されているとか(実際あります。カフェスペースがとっても素敵なのに、外から入るにはいちいち開錠が必要で催しが催されない・・・)。あおいけあではカベをこわしました。今では通学・通勤の人が敷地内の道をごく普通にとおりすぎていきます。手をつなぐ高校生カップルも。「わしらのころはあんなことしなかった」という声が聞こえてくるとか!
誰もがごく自然に入っている場所。遊びに来る子どもや利用者さんたちがつくったものをイベントで販売することもあるそうです。売れる?毎回盛況。もうかったお金で江の島にお出かけして好きな丼ぶりを食べよう!
建物の中だってそう。いわゆる介護施設の椅子、机。私たちがこの空間に7時間いられるか?!私たちだって正直キツい。なのになぜ、それをお年寄りができると思う。できないことを要求し、いざ立ちあがったら徘徊、抑制。それでは優しい介護職員ほど心が折れる。あおいけあのテーブル(床だったかも)はすべて無垢。f分の1のゆらぎ。視床(今調べたら、視覚だけでなく嗅覚以外のすべての感覚がここで中継されるらしい)を埋める情報が快適であれば、セロトニン、ドーパミン。幸せを感じる。足が痛いのだって忘れるかもしれない。

3.アセスメント
アセスメントアセスメントアセスメント・・・。目の前の人のことを、私たちはどれだけしっているでしょうか?表面的な情報しか知らないかも。ずーっと無口な男性がいました。黙っているから、ちょっとコワい。よくよく調べると、職歴にカフェのマスター!「何がおいしいですか?」「BLTサンド(私の記憶違いで別のサンドイッチだった気がします笑)。」「食べさせてくださいよー!」まんざらでもないマスター。「いいよ。」コーヒーも入れるマスター。みんな舌鼓。包丁だってナタだって持つ。利用者に持たせたらあぶない?とんでもない。我々の方がよほど慣れていない。体が覚えている手続き記憶はそうそう忘れない。欠いている部分の強化よりも、できることに注目しようではないか。

4.単純接触効果
どんなに良いケアをしていても、初めての方がすぐに心を開くとは限らない。「おれはあんなところ行かん」よくある話。訪問介護ではなく小規模多機能だからできること。(これを読んでいる介護業界以外の人は、とにかく小規模多機能という言葉を覚えて!ちゃんとした小規模多機能は本当に使いやすくて素敵なサービスです。親の老人ホーム入居を決める前に!)。
ご自宅に行って楽しい話をして帰ってくる。何もしなくていい、何もさせなくていい。ただ、行って話す。楽しい記憶が残る。そのうち関係ができてくる。元々寝たきりの方。パジャマを着替えるところから。庭を歩く。だんだんお互いさんに近づく。でも、「俺は行かねぇよ」。考えるスタッフ。元農家だって。ではその爺さんに庭をつくってもらおう。おはよう日本の取材。収穫物を手にドヤ顔の爺さん。その写真はNHKの社内で賞を取った。

5.コミュニケーション
ある施設で、利用者に入浴介助を行う行程を調べた。「お風呂行きますよ~」&誘導&介助。これだけ。あおいけあはどうか。「ねばならない」はタブー。朝誘ってだめならいったん引く。庭に出て、汗をかき「汗もかいたしひとっぷろいかがですか?」。コミュニケーション工程を分解したらたくさん!でも、よく考えたら当たり前。我々は人である。右から左に運ばれるモノではない。納得して、はじめて動く。でも、日々の業務が忙しくてそんな悠長にできないですよ。ノンノン。あおいけあには業務はない。スタッフがすべきことは記録と運転だけだ。あとはすべて、利用者のペース。さっきも書いたけど、マニュアルは、ない。(1)スタッフがお茶を出す(2)お茶入れを手伝ってもらう(3)お客さんにお茶を出す。3つ目であれ!

加藤さんは提案する。ピンピンコロリでいこう。私は誤解していた。人の世話にならないためにピンピンし続けなければならないのがピンピンコロリ?違う。一度弱っても、ケアの力で戻ってこられる。ピンピンしているところを見つけてもらえる人がいる。安心して、ピンピンしてくれ!こういうピンピンコロリだったらいいな、と心から思った。

1974年生まれの加藤さん。3人子どもがいる。原動力は、未来だ。100歳のおばあちゃんに寄る1歳の子どもの写真が出た。この子が100歳になるころ、日本の人口は4分の1になる。そのとき、今つくったインフラはどうなる?!借金ばかり残して良いのか。

さぁ、我々は今、どうすべきだろうか。

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プロフィール

管 偉辰

2008年から介護×音楽の会社を11年間経営。2019年夏から転身予定。

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